結論
比べる数字は2つだけです。自分の時給と、家事代行の実質時間単価(交通費・入会金まで含めた1時間あたり)。
年収400万円から700万円を年間2,000時間で割ると、時給は2,000円から3,500円になります。いっぽう会社が一律に料金を決めている9社の実質時間単価は、月4回・1回3時間・東京で3,083円から5,500円でした。
つまり多くの人は「自分の時給のほうが安い」側に出ます。それでも頼む価値があるかどうかは、差額(1時間あたり83円から3,500円)を払って時間を買うかどうかの判断で、損得の計算では決まりません。
このページは差額を出すところまでをやります。払う価値があるかどうかは決めません。
会社ごとの向き不向きや、最初の1回で最悪いくら払うかは 家事代行の選び方 にまとめています。ここはその一段深い各論で、金額の判断材料だけを扱います。
1. 自分の時給を出す
年収を年間の労働時間で割るだけです。
| 年収(額面) | 年間2,000時間で割った時給 | 1日1時間浮くと1か月(20日)で |
|---|---|---|
| 400万円 | 2,000円 | 40,000円ぶん |
| 500万円 | 2,500円 | 50,000円ぶん |
| 600万円 | 3,000円 | 60,000円ぶん |
| 700万円 | 3,500円 | 70,000円ぶん |
年間2,000時間は「1日8時間 × 週5日 × 50週」という計算の前提であって、統計ではありません。残業が多い人ほど実際の時間数は増え、時給は下がります。
読むときの注意を2つ書いておきます。
- 年収は額面です。ここから所得税・住民税・社会保険料が引かれるので、手元に残る額で計算すると時給はこの表より下がります。この表の時給は高めに出た数字として見てください
- 家事が減っても、その時間が自動的に収入になるわけではありません。残業代が出ない働き方なら、浮いた時間は1円にもなりません。時給は「時間の値段の目安」であって、稼げる金額ではありません
2. 家事代行の実質時間単価
表示価格ではなく、交通費・訪問費・入会金まで含めた1時間あたりです。条件は月4回・1回3時間・東京・1年利用でそろえています。並びは安い順です。
| サービス | 実質時間単価 | 最低利用時間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| タスカジ | 1,500円 | 3時間(固定) | 交通費を含められていません。単価は担当者本人が11段階から選ぶため、定期で1,500円から4,190円まで開きます |
| CaSy | 3,083円 | 1時間(2時間未満は週1回の定期のみ) | 交通費880円を含む |
| きらりライフサポート | 3,448円 | 1時間 | 訪問費990円と入会金5,500円を含む |
| キャットハンド | 3,718円 | 2時間 | 交通費990円を含む。定期プラン「猫の手ベーシック」の単価 |
| ニチイライフ | 4,290円 | 1時間 | 交通費990円を含む。東京(Sエリア)の定期・週1回 |
| ベアーズ | 4,510円 | 2時間 | 交通費990円を含む |
| ピナイ家事代行サービス | 4,510円 | 3時間 | 交通費990円を含む |
| アールメイド | 4,657円 | 2時間 | 移動費1,100円を含む |
| ミニメイド・サービス | 4,686円 | 2時間 | 交通費990円を含む |
| ダスキン メリーメイド | 5,500円 | 2時間 | 交通費の項目なし。東京・神奈川の定期 |
金額はすべて税込です。公式サイトが税別で表示している会社は税込に直しています。
タスカジの1,500円は会社が決めた料金ではなく、レビュー実績がまだ少ない担当者が選べる最安の設定です。他社の一律料金とそのまま並べられないので、以降の計算では外しています。
この幅より外に出る条件が2つあります。 地方で定期を組むと下に抜け、1回だけ頼むと上に抜けます。
- 下限:ニチイライフの定期・週1回はBエリア(北海道・東北・九州など31道県)なら1時間2,860円
- 上限:ダスキン メリーメイドの単発は全国一律で1時間6,600円(2時間13,200円)
短い時間で頼むほど割高になるのは、交通費が作業時間と関係なく1回ごとに固定で上乗せされるからです。CaSyのお掃除代行なら、3時間で3,083円、2時間で3,230円、1時間だと4,070円です。
1回ごとにかかる費用を時間数で割って足したものです。月の支払いは 37,000円。
3. 差額が「1時間を買う値段」
実質時間単価から時給を引いた金額が、自由な1時間を買うために追加で出すお金です。
| 年収(時給) | 3,083円のサービス | 4,290円のサービス | 5,500円のサービス |
|---|---|---|---|
| 400万円(2,000円) | 1,083円 | 2,290円 | 3,500円 |
| 500万円(2,500円) | 583円 | 1,790円 | 3,000円 |
| 600万円(3,000円) | 83円 | 1,290円 | 2,500円 |
| 700万円(3,500円) | −417円(時給のほうが高い) | 790円 | 2,000円 |
1回3時間で頼むなら、この金額を3倍します。年収500万円の人が3,083円のサービスに3時間頼むと、追加で払うのは1,749円です。
年収700万円あたりで、いちばん安い帯のサービスは時給を下回ります。ただし、これは浮いた3時間ぶんきっちり残業代が出る場合の話で、そうでなければ手元のお金は減ります。
4. 浮く時間は、頼んだ時間と同じではない
3時間頼んでも、自由になるのは3時間ではありません。ここを入れずに計算すると、実質単価は見た目より高くなります。
- 立ち会いが要る回は、家にいる時間が拘束されます。留守中に入ってもらえるかは会社と契約形態で違い、鍵を預ける場合は月額の保管料がかかることがあります(きらりライフサポートは1,100円/月)
- 依頼前に片付けと指示出しの時間が要ります。初回は特に長くなります
- 1時間だけ頼むことは、多くの会社でできません。上の表のとおり最低2時間または3時間からで、1時間から頼めるのは3社です
在宅勤務の日に頼む場合も同じです。家に人がいる状態で集中して働けるかは、実質単価より先に確かめるところだと考えています。
5. 時給より高くても頼む理由は、金額に換算しません
差額がプラスでも頼む人はいます。理由として繰り返し挙がるのは、だいたい次の3つです。
- 睡眠が削れなくなること
- 子どもと過ごす時間が確保できること
- 体調を崩す回数が減ること
このサイトは、これらを金額に換算しません。 睡眠1時間を何円と置くかは人によって違いすぎて、どんな数字を置いても「得です」と言いたい方向に寄せられてしまうからです。換算した瞬間に、この記事は計算ではなく説得になります。
代わりに、判断の順番だけを書いておきます。上の3つのどれかが今すでに削れているなら、差額は「その状態を戻すための費用」です。どれも削れていないなら、差額はそのまま出費です。
このページの限界
金額は各サービスの公式サイトで確認したものだけを使っています(確認日は各サービスのページに記載)。まとめ記事の金額は使っていません。方針は 調べ方と比較の基準 に書いています。
どのサービスも契約していないため、使った感想は書いていません。
計算の前提には、そのまま受け取れないところが3つあります。
- 年間2,000時間は前提として置いた数字で、統計ではありません。自分の実労働時間で割り直してください
- 実質時間単価は月4回・1回3時間・東京・1年利用でそろえた数字です。回数や時間を変えると順番も変わります
- タスカジの交通費は依頼ごとの実費で一律の金額が公式にないため、含められていません。実際の支払いは表の金額より高くなります